リモートワークを4か月やってみた振り返り

新型コロナウイルスによって、日本でも急速にリモートワーク導入が進んだ。

私の部署では、コロナ前は育児など事情がある方しかリモートワークは認められていなかったが、コロナ対策として、2月末からリモートワークが一部導入され、3月末からフルリモートに移行した。

4月末に、リモートワークを2か月やってみた振り返りを下記にまとめた。

sakkikkuman.hatenablog.com

 

今回は、さらに2か月たった今、新たに思ったことや変化などをまとめてみようと思う。

 

リモートワーク慣れ

まず、この2か月を振り返ってみて最も感じるのは「リモートワーク慣れ」。

単純にリモートワークという働き方に慣れてきた。最初のころは、日常に仕事が入り込んでくるようなストレスやオンライン会議ならではのストレスなど多かったように思うが、日がたつにつれてそういうストレスが徐々に減ってきた。むしろリモートワークがスタンダードになってきた感覚さえある。もう以前のようにオフィスに週5日通う生活は無理な気がする…  

コロナ後もテレワークを行いたいか?という調査結果をみると、6割がYESの回答。意外と少ない印象。業種や職種によっては、弊害は出ているのかもしれない。

f:id:sakkikkuman:20200630200727p:plain

働く人の意識調査

https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/5f4748ac202c5f1d5086b0a8c85dec2b.pdf

各企業におけるリモートワークに対する評価も、二分化している。大手企業の今後の対応方針などが日々アップデートされていくので、今後の動向が気になるところ。

www.nikkei.com

www.nikkei.com

www.nikkei.com

 

慣れで解決できないリモートワークの課題

個人的にはいいところずくめのリモートワークだが、一方でリモートワークならではの課題として感じていることもある。思いつくものをいくつか挙げてみる。

参加者多数のオンライン会議が盛り上がらない問題

前提として、私の部署は基本的にみんなオンライン会議ではビデオオフモードにしており音声のみの参加である。そのため、音声かチャットの反応がないとファシリテーターの人はとても不安になる。私もたまに話す場があるが、他参加者の反応が見えずしゃべるのがとてもしんどい。目から得られる情報やうなづきの動作って大事だったのだなぁと思う。

新たな人間関係を構築する難易度高い問題

4月から既存チームに加えて新たにひとつチームが増え、現在兼務という形になっているが、新しいチームの人たちとの関係性づくりはなかなか難しいと感じる。週1回チーム定例の場はあるが、そこでは業務の話、共有時効の共有がメインなので、オフィスにいると生まれるいわゆる雑談をする機会がない。4~5月はもろもろリモートで引継ぎをしてもらう機会も多かったが、相手との信頼関係があまり出来ていない中だと、一つ一つに気を使うし、質問もしづらいし、少ししんどいものがあった。
取引先との関係も然り。4月から担当になった業務について、外部のパートナー企業と週1で定例を行っているものの、お互い顔も知らない相手なので、やはりどこかコミュニケーション的にやりにくいところはあるように感じる。
リモートワークは信頼関係がすでにある人であれば、コミュニケーション面では問題なくスムーズに移行できるが、そうでない場合はやや難易度が上がる。

テキストベースのやり取りが生むミスコミュニケーション問題

信頼関係がすでにある場合でも、テキストコミュニケーション&直接質問ができない環境下だと一定ミスコミュニケーションが起こった。指示を出す側は、いつも以上に、主語述語をはっきりさせる、依頼要件を明確にするなど、ちょっと注意をする必要がありそう。指示を受ける側も、不安であれば電話で直接会話する、具体的なアウトプットイメージを先にすりあわせをするなども働きかけが必要になってくる。

 

いくつかは前回書いた問題点とも重複しているが、4か月たった今でもなお課題ということは、これらは「慣れ」で解決できる問題ではなく、仕組みや工夫をして解決しないとならないことなのだろうと思う。

 

リモートワークによるプラスの変化

 業務進捗共有を定期的に上司とするようになり仕事が進めやすくなった

これはリモートワークになる前からやっておけよという話かもしれないが、今期からミッションとして持っているタスクについて、2週間に1回実施している上司との1on1にて会話するようになった。これまでは自身でスケジューリングして進めていたが、人と共有し、定期的に報告する場を設けることで、進捗させなければという気持ちが強くなり、進捗させやすくなったように感じる。困ったときに、何に困っているかを相談しやすくなったのも良い。
意外とポイントなのは、2週間に1回という個人的に適度な頻度の報連相なところだと思う。特に上司に指定されたわけではないが、個人的にはこのくらいのスパンがちょうどいいのでこの頻度で設定している。人から聞いた話によると、リモートワーク環境下で、数時間に1回業務報告をさせられるところもあるようだが、それやらされたら個人的にはめちゃくちゃモチベーションも効率も下がりそうだなぁと思う。監視体制がすごい会社のあるという下記の記事は、いろんな会社があるのだなぁという意味で興味深かった。

軟禁みたいなリモートワークは、もう止めよう
https://comemo.nikkei.com/n/n656f943aaeb2

 

「後から共有しやすい」を前提にするようになった

これまでは聞けば良いと思っていたことが、リモートワークになったことで人に聞きにくい環境になった。そこで、ちょっとした会議でも議事録を残す、引継ぎをする際に楽になるようにフローや注意事項を共有のスペースにまとめておく、など「後から見ても分かる・思い出せる」を個人的には意識するようになった。自分でも振り返りやすくなり役に立っているし、ノウハウ蓄積の観点でもよいと思う。

 

会社への愛着度が上がった(気がする)

フルリモートでも問題なく、自由に働ける今の職場素晴らしいなと単純に思うようになった。今後仮に転職するとなったときも、リモートOKの会社を選びたい。。そういう意味で、リモートワーク導入は採用へも一定のプラス効果がありそうな気もする。

下記の記事の「●テレワークの効用と課題」の<効用>の部分をみても、割と同じように思っている人がいるのかなーと思った。

管理職、一般社員ともに、テレワーク経験者の半数以上が、「生産性が向上し、業績にプラスの効果があると思う」「仕事へのやる気が高まると思う」と回答。半数弱が「会社への愛着が増すと思う」と回答

www.recruit-ms.co.jp

  

おまけ

最後に、いろいろリモートワークに関する資料を見てみて、気になったポイントをメモ。

 

多くの企業は「導入しない」のではなく「導入できない」のではないか

規模が小さくなればなるほどリモートワーク導入率が下がる。恐らくリモート環境を整えるシステム部門の人が不足している、仕組みづくりをする人事総務が不足しているなどが要因なのではないかと推測。
従業員10人程度の小さな会社で働いている知人情報によると、そもそもITリテラシーのある人材がおらず、リモートワークを実現できる環境を整えることができず、従業員は出社&お年寄り社長はコロナ怖くて自宅待機しているとのこと…笑

f:id:sakkikkuman:20200629230438p:plain

平成31年度(令和元年度)テレワーク人口実態調査
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001338554.pdf

意外と業務の効率は上がっている?

テレワークにプラス効果の理由のうち、「通勤時間が減った」「自由に使える時間が増えた」は納得しかない結果だが、その次に「業務の効率が上がった」となっているのがすこし意外だった。自宅だと環境が整っていなかったり集中力が低下したりで、効率下がったと感じている勢が多いのではないかと思っていたが、世の中のリモートワーカーの意外と業務効率は改善している?リモートワーク期間が長くなればなるほど、慣れによりさらに業務効率アップしそうな気はする。

f:id:sakkikkuman:20200630003606p:plain

平成31年度(令和元年度)テレワーク人口実態調査https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001338554.pdf


... 

 

本題とはあまり関係ないが、最近自宅でノンアルコールのお酒を飲むようになった。リモートワークになった初期の頃は自宅で気分転換のためになんとなくお酒を飲む頻度が増えていた。それがここ1か月くらい、健康のためにと一回ノンアルを試してみたら、見事にはまった。なんとなく飲んだ気分になれるし、カロリーもゼロだし、酔っぱらわないのでその後作業もできるし、良い事ずくし◎

 

リモートワークによって、働き方への価値観も、お金や時間の使い方も、人間関係も、振り返ってみると大きく変化した4か月だったように思う。

 

▼近くの本屋にできていた、テレワーク棚

f:id:sakkikkuman:20200702203126j:plain

 

2回目のオンライン飲み会

夜、大学時代の友達と人生2回目のオンライン飲み会をした。

といっても最後の30分以外は散歩しながらオンライン通話をしていたので、私はほぼ飲まずに参加。

 

この自粛期間中のみんなの話をきいて面白かったポイントを記録しておく。

 

・競馬場は閉まっていて無観客試合となっているが売上は大して落ちていないらしい。ネットで馬券を購入できるというのはありそうだけど、競馬場に来ていたおじいさんたちがネットで購入できているとは思えないとのことなので、推測するに暇を持て余した新しい層を取り込めている&一人当たり購入単価が増えたのいずれかなのだろうなーと推測。(競馬に関わる仕事をしている子より)

・銀行の窓口に来る人も増えているらしい。みんな自粛期間中に掘り出したお金とかを預けに来ている?窓口対応とかは本当に大変そう。(金融機関で働く子より)

・あつもり(あつまれどうぶつの森)にはまっている。今スイッチはなかなか手に入らなくなっている。

・今はほぼみんなリモートワーク。金融機関の子は週2~3回は出社している。

Youtubeを見てヨガや筋トレをやっている。

・一人暮らしの子は、人との関りを求めて毎日ドラッグストアと郵便局とスーパーなどへ行ったり、毎日オンライン飲み会をしたりして孤独を紛らわしている。

 

...

 

最近気候がよいので、日が暮れてきたら家の周りを散歩している。今日はオンライン飲み会しながら1万歩。

お昼はベランダで読書し、夜ごはんはベランダで食べた。

寝る前に、今日のオンライン飲み会で教えてもらったAmazon Primeのコンテンツであるハイパーハードボイルドグルメリポートというドキュメンタリー番組をみたけどこれがとても印象的で面白い番組だった。

 

自粛生活にも割と慣れてきた。

 

リモートワークを2か月やってみた振り返り

新型コロナウイルスによって、日本でも急速にリモートワークが進んでいる。
わたしの場合、リモートワークへの移行はこんな感じだった。

2/19(水)リモートワーク推奨開始 
3/27(金)リモートワーク完全移行 ※現在も続行

これを書いているのが4/23なので、かれこれもう2か月くらいたつことになるので、ここらでリモートワークをやってみて感じたことをまとめてみる。2か月ほぼ家族以外の人間と対面コミュニケーションをとっていないことにやや驚く。 

 

目次

 

リモートワークの良いところ

  • 通勤時間がなくなった

徒歩含めて片道45分、往復1時間半を毎日通勤につかっていたが、その時間がなくなった。加えて外に出るとなると、着替える時間、化粧をする時間、髪を整える時間など準備にも毎朝プラス30分程度かかっていたので、それがなくなったのは大きい。

  • 雨の日も風の日も快適

雨の日は通勤が憂鬱だったが、その心配がなくなった。また、重度の花粉症のため毎年2~3月は息絶え絶えだったが、今年はその被害もほぼなく過ごせた。

  • 気晴らし方法が自由

休憩時間に筋トレ、お昼寝、読書、ゲーム、動画見るなど、会社にいるとできないリフレッシュ方法が出来るようになったのはとても良い。特にお昼寝。

  • 節約になった

毎日コンビニや外食でかかっていたお金が自宅ごはんがメインになったことで自然と減少。週1~2回はあった飲みや友達との外食が完全になくなったのも大きい。1回4,000円だとしても月2万円。加えて、外にでないので衣類や靴なども買わなくなった。毎日心地よい服だけを家で着まわしていて快適。

 

リモートワークの困ったところ

  • 設備

・たまに通信環境が悪い場合がある(Wifiが自宅にない人は大変そう)
・会社の椅子よりクオリティが低く長時間座って仕事をしていると疲れる
・デスクトップがないのでこれまで大きな画面でやっていた作業がやりにくい

  •  会議

・うまく音声が繋がらない人が発生しがち
・対面の会議より疲れる気がする
・いくつも続くと集中力がもたない
・複数人の会議だと双方向コミュニケーションが難しい。聞く側として声で反応しにくい&話す側としては周囲が無反応だと不安。対面だと顔をみて判断できていたが、それがオンラインだと難しい

 

オンライン会議が疲れると感じていた人は他にもいるよう。

  

  • コミュニケーション

・業務的に直接関わりのある人としかコミュニケーションがなくなった
・他の人が今なにをしているのかがまったく見えない
・チャットだと相手の顔色がわからないので、機微がつかみにくい
・ホワイトボードを使ったディスカッションができない

  • 業務

・業務の引継ぎの難易度が高い(3~4月異動で既存業務の引継ぎがあったがオンラインだけだとなかなかスムーズに引継ぎきれていない)
・請求書処理が通常フローでできない
・気軽な相談がしにくい
・私自身は関係ないが、子供がいる人は育児と仕事のダブルパンチでめちゃくちゃ大変そう

  • 生活

・慢性的な運動不足(筋肉量が落ちて脂肪が増えた)
・メリハリがなく集中力が続かない
・つい長時間働いてしまう(休憩がとりにくい・夜終わり時がわからなくなる)
・夜寝るのが遅くなった(寝不足)
・仕事とプライベートの気持ちの切り替えがしにくい 
・自宅でお酒を飲む量・頻度が増えた (ずっと家にいると気分の切り替えができないので、仕事が終わったのを感じるために飲みたくなる)

 

工夫ポイント

  • 設備

・生活スペースとは別に新たに作業環境を構築
・いす・デスク・PCスタンドを購入

 

下記、参考になりそうだなと思ってみていたサイト。備品購入用に手当が出る会社もあるらしい。



  • 会議

・音声はスマホで、画面はPCで繋ぐ(PCだと音声が聞こえづらい)
・話さない時はミュート設定にしておく
・顔がみえない分、声やチャットで反応する(大人数の時はチャットで、少人数の時は声でが〇)

 

会議システムはTeamsを使用しているが結構よい感じ。ややタイムラグがあるのは難点。
オンライン会議ツールの違いで参考になりそうな記事も。

  •  コミュニケーション

・業務開始、業務終了、休憩時は各自チャットする
・何かあればチャットで気軽にコミュニケーションをとる
・週1回は業務のもろもろをざっくばらんに会話するオンライン会議をする

  •  生活

・朝きちんと着替える
・コンタクトを入れ、化粧を最低限する
・生活する部屋と作業部屋を分けた(新たにつくえを購入して作業環境構築)
・リフレッシュしたいときにはベランダも作業場として活用
Youtubeのヨガ動画やフィットネスゲームで適度に体を動かす(なかなか続かずさぼり気味)

こんな人もいて、ベランダの可能性を感じた。自宅内でいかにリフレッシュできるスペースをつくれるか大事。

 

 

その他所感

・在宅勤務の導入時期、環境サポート、運用フローなど一連の対応で会社の素がでるなと感じた。職種にもよると思うが、今回自粛要請ないしは緊急事態宣言が出た後もなおリモート対応せず出社をしなければならない会社(友人談)は相当やばい会社だなぁと思ったし、その会社の社員満足度も激減しているとのこと。転職者増えそう。ちなみに、おそらく時間ができたことで、転職サイトへの登録者数は激増しているらしい。(経済状況的に企業側が求人を絞っていそうなのでマッチング率は下がっていそう)

・職場にいると周りの人がどんな仕事をしていて、どのくらい忙しそうかなどが雰囲気で分かったが、リモート化すると雰囲気で感じることができなくなる。期間が短いうちはそこまで気にならなかったが、長期間化すればするほど、このあたりの課題が顕在化してきた感じがする。いつも以上に相手の状況を想像することが大事だと思うし、小さなことでも共有してコミュニケーションが大事だと感じる。

・歴が浅い人(新卒や転職仕立ての人)など、自分で業務を設計し組み立て優先順位をつけて考えることができないと結構リモートワークは厳しそう。また、マーケティング職の私はあまり感じないが、営業など職種によっては結構リモートだけだと生産性下がりそうだなという印象。新規顧客開拓営業担当とかはどうしているのだろうかと気になる。。そもそもの仕事の仕方が変わってきそう。

・生産性が変わらず働ける人と、生産性がガタ落ちする人とで大きく分かれそう。そして生産性が落ちるとストレスもたまり、モチベーションも下がりそう。
生産性が下がる理由としては、ハード面・ソフト面の2つがあると思う。会社としてはリモートワークにする以上、まず環境・設備面といったハード面のサポートは最大限実施すべき。ソフト面については、コミュニケーションの問題や生活リズムの問題などいくつかさらに要因が分かれそう。メンバーはセルフコントロールをする意識付け・週間づくりを心がけること。マネージャーはコミュニケーションや業務の進め方で課題がないか、適宜1on1でサポートを実施すること。(ただし1on1で聞き出すには関係性が構築されていることが前提なので、関係づくりがそもそも出来ていない場合はより悪化していきそう…)